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[コメント] ウォンテッド(2008/米)

笑って良いのか真剣に観なければならないのか、その辺の着地点が分からず、居心地の悪さばかりが残る。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作は笑える部分とシリアス部分の二つからなる。

 主人公はとんでもない動態視力の持ち主で、それを見込まれた組織から徹底的に訓練を受けるわけだが、その訓練というのが人を瀕死に至るまで徹底的にいたぶり、その後に特殊な薬液によって完全回復させるというもの。その訓練風景がほとんどスラップスティックもので、笑いを誘う。なぶられ、風呂に放り込まれ、又引きずり出されて再び訓練に追いやられると言った様子は完全にお笑いの側に立っている(そういえば『食神』で似たような描写があったので、そちらの記憶と直結して笑えたのかもしれない)。某映画批評家によれば、この描写はマゾ体質の男にはたまらない内容なのだとか。

 一方、物語の設定そのものは結構ハード。主人公は常に運命に翻弄され、ギリギリの中で選択を強いられて運命を選び取っていく。物語上に笑いの要素はあんまりない。

 結局そのかみ合わせの悪さが物語上の違和感となって残ってしまった。

 コメディにするならもう少し物語を柔らかくした方がいいし、ハードさを主眼とするなら訓練風景をハードに、殺し合いの描写に力を入れるのだったら、人間ドラマを押さえ気味に。その辺のバランスを考えずに何でもかんでも入れてしまったのが本作の違和感の正体なのかもしれない。

 一つ一つのパーツを見るなら見応え充分なのだが、何でもかんでも混ぜっぱなしになってしまって、とにかくバランスの悪さばかりが見えてしまった作品だった。

(評価:★3)

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