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[コメント] クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者(2008/日)

素直に楽しい作品だと思う。ただ、初期作品の縮小版みたいな感じで、もう少し突き抜けて欲しかったところ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 クレヨンしんちゃんも本作で16作目。原点回帰を目指すことからか、シリーズ初期の傑作を作ってきた本郷監督が復帰しての作品となった。出来としても初期っぽい出来で、その頃の作品が好きな人には懐かしい雰囲気の作品となった。

 本作の良いところは多数ある。それこそ初期の作品につながることだが、しんのすけが本当に単なる小生意気なガキであり、その無軌道な行動が事件を引き起こすトリガーとなること。その後の行動も大方の予想を超えた無軌道っぷりで、周囲の人間を巻き込んで大混乱を引き起こし、周囲の人間が必死にフォローすることで、いつの間にかしんのすけ自身が救世主にまでなってしまうということ。突然ではなく、日常が徐々に浸食されていくというフォーマットもきちんとしていて、その辺が再び見られるのは素直に嬉しい。

 ただ一方、本作は演出面が今ひとつ。物語そのものよりも平板な演出でちょっと気持ちが引けてしまう。

 前半の徐々におかしな兆しを見せていく日常と、異空間の悪の親玉とのコントラストは良かったが、いざ世界侵略が始まったら、ありきたりな雰囲気になってしまう。

 面白くはなりそうだったんだが、突き抜けないままに終わってしまった感があって、ややストレスがたまる。

 最初の内は初期の頃の作品とよく似てるのために楽しく観られたが、だんだん初期作品の縮小版にしか思えなくなってしまった。それにラストシーンでしんのすけが自覚を持って勇者になってしまった為、それがちょっと違和感につながってしまったからかもしれない。  ただ総じて言えば平均以上の出来の作品ではあり、まだまだクレしんは続けていけると言う事を確信できた作品でもある。

(評価:★3)

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