[コメント] 機動戦士ガンダムUC episode2 赤い彗星(2010/日)
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本作は小説が原作となるのだが、小説とアニメというのは文脈が少々異なる具体的に言うならば、小説はビジュアルを考えなくて良いと言う事になる。小説に求められるのはアクションよりも重厚な人間ドラマの方であり、戦闘シーンを中心にする事はない。そもそもアクションシーンを文章だけで表現することは無理である。
原作著者の福井晴敏はガンダムマニアで知られる。過去「∀ガンダム」のノベライズ版も描いていることもあってかモビルスーツ同士の戦いという部分に思い入れが強く、ビジュアルには充分過ぎるほどの力が込められている。しかしながら複雑な設定を動かすためにはどうしても人間ドラマにページ数が割かれ、結果としてモビルスーツ戦がほとんど出せないと言った事態にもなるのだが、この原作の3巻は元のバランスが取れ、ビジュアル的にも申し分ない物語展開だったので、作品自体は作りやすかったのではないかと推測される。
前巻で溜めに溜めて登場したユニコーンガンダムがその圧倒的なパワーでクシャトリアを圧倒。しかし、その後現れた赤いモビルスーツ、シナンジュの前に完敗と、見せ場はたっぷり用意されており、ビジュアルシーンでの見せ場は多く、更に謎の少女オードリーの正体を探るというドラマ部分も塩梅よく配置されるので、見せ場としてはかなり上手い。
それでも私が敢えて1巻よりも点数を落としたのは、単純に見せ場の多い原作をそのまま映像化したため、苦労の跡が見られなかったという理由で、物語としては1巻よりもこちらの方が良かったくらいだとは思う。
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