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[コメント] 大いなる遺産(1946/英)

出来は良いと思いますが、ディケンズがさほど好きじゃないので。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「オリバー・ツイスト」もそうだが、少年が様々な大人達の運命に翻弄されている内にいつの間にか幸運を掴んでいたというのはまさにディケンズそのものと言う感じ。典型的なディケンズの古典作品を忠実に映画化した、と言うのが本作の特徴だろう。これだけ複雑な流れの物語を端折る事無く、しかもすっきりとまとめ上げたリーン監督の力量を見せつけた形で、名作文学の最高の映画化作品とも称されている。

 本作の魅力と言えば、やっぱりキャラクタなのだが、主人公が本当に何もしないと言うのが一番の魅力なのが面白い所。流れるままに、言われるままに生きているだけ。強いて言えば、子供時代に食べ物を持っていったことと、最後にカーテンを開けた事を除けば自分から進んで行動した事はなく、人に言われたまま流されるままに行動していく。ただ、主人公が一歩退いた分、他のキャラが脇役に至るまで活き活きしてる。本当の脇役なのだが、本作がアレック=ギネスのデビュー作だし、少女時代のジーン=シモンズまで出ていて、本作を機にイギリスの映画が一ランク上がった気がする。ちなみにピップ役のミルズはこの時38歳。20代そこそこの役をちゃんとやってるのも凄い。

 物語も破綻がないが、原作そのものがさほど好きってほどじゃないし、ストーリー展開も強引な所があったりして、点数はそこそこ。

(評価:★3)

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