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[コメント] 教授と美女(1941/米)

二大巨匠の共作は見事なかみ合いを見せている。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 世間知らずの教授と気の良い女性とのラブコメ作品。次々と新しい出来事が起こって、物語がどんどん展開していくスクリューボール・コメディの典型的なパターンの作品。  しかしながら、監督ハワード・ホークス、脚本ビリー・ワイルダーという二大巨匠が組んで作られただけあって、本作は一筋縄にはいかない。

 本作が単なるドタバタ喜劇とはちょっと違っているのは、設定の妙であろう。なんせ会話の中心が言語学者だけに、台詞の一つ一つが故事を用いたり、古典的な台詞を引用したりと小洒落ていて、奥深い教養を感じさせる会話劇になっているのが面白い。そしてそれら言語のエキスパートである彼らが会話について行けないというのも、なかなか皮肉が効いている。

 設定の面白さという意味では、本作は実は白雪姫の翻案ともなっているという点も挙げられる。世間知らずで引きこもっている教授達の前に突然現れる美女。そこで生活が一変してしまうというところから、視点を七人の小人の方を主人公にして白雪姫を作っていると言うところの面白さであろう。事実相手がどんなえらい教授達であっても、彼女にとっては、世間知らずのカモであり、明らかにイニシアティブは彼女の方にあるのだから。言葉を知るためのはずが、いつの間にやらダンスの練習やら女性の口説き方を教授されるとか、世間の地位から逆転していく過程が楽しい。

 ただ、これを観ていて思うのは、本来白雪姫役として登場したはずのスタンウィックなんだが、いつの間にか彼女はのけ者にされ、気が付くとお姫様役はクーパーの方が担っているという逆転現象。スクリューボール・コメディだからこその醍醐味を感じさせられるものである。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)なつめ[*] 袋のうさぎ

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