[コメント] 乱れる(1964/日)
なんだかんだ言って苛められる高峰秀子ってのは、はまり役です。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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成瀬巳喜男晩年の傑作とされる作品で、成さぬ恋を高峰秀子、加山雄三のコンビで見事に作り上げる。確かにここでの高峰秀子の演技は見事と言うほか無く、私には絶対合わないメロドラマなれど、それだけはよく分かる。
とことん女性をいじめ抜くのが成瀬作品の醍醐味だが、観ていて辛すぎるのでどうにも苦手意識を消すことが出来ない。ここでもその撮影は冴え渡る。未亡人として家族に蔑まれながら、しかし自分がいなければこの家は駄目になると、身を粉にして働く女性と、その努力を知らず…否、知っているからこそ、鬱屈した思いを消すことが出来ない家族の関係。更に弟としてのみ愛そうとした義弟が自分に対し道無き恋を突っ走ろうとする事に苦しめられる…改めて書いてみると、これだけで私には到底合わない作品なのだが…
そのフィルターを通してでも、やっぱり見事だと思う。
高峰秀子の巧さもあるが、それに対する加山雄三も鬱屈した青年役を好演してる…イメージとしては爽やかすぎるが、それがかえって清涼剤のような役割を果たしている。
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