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[コメント] 海賊とよばれた男(2016/日)

お上品すぎてあくびが出た。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 未読ではあるが、原作は本屋大賞を受賞している位なのだから、恐らくは相当に面白い作品だと思われる。

 そしてその映画化作品としての本作はどうか?と言われると、「品良くまとまった普通の作品」としか言いようがないほどに全く個性の感じない作品に仕上がってしまった。

 私の想像では、原作版の国岡鐵造という人物は、豪放磊落で周囲を圧倒するような個性を持った人物であろうと思う。プラスにせよマイナスにせよ周囲の人間を巻き込んで多くの敵と多くの味方を作ると言う「憎まれっ子世にはばかる」を体現したような人物であろう。

 ただ映画になるとこれは主演の岡田准一の個性で、どうしても真面目そうな人物になってしまった。迫力が足りないというか、人を圧倒するような個性がにじみ出てこない。これは明らかにこれはミスキャスト。前作『永遠の0』のヒットにあやかって連続主演となったんだろうけど、合わない役を無理矢理やってる感が強く、観ていて痛々しく、逆に辛くなる。もうちょっと嫌らしさのある、顔の濃すぎる役者向きの役だよこれ。

 それと戦前の物語と戦後の物語をザッピングするという手法によって、主題がかなりずれてしまってるのも問題。戦前の成り上がりの方向性と、戦後に苦労してる方向性がどうにもぶれまくってしまい、観ていて落ち着かない。折角だから二本に分割してしまい、最初を成り上がり編に、次に復興編とでもしたほうが良かったとは思う(出来ないからこう言う作品になったんだろうけど)。

 又、過去の物語をちょっとつまんでいくという手法を取ったことによって、盛り上がるはずの物語を強引に盛り上げないようにしているようで、中途半端。

 一通り見て感じたのは、NHKの朝ドラの総集編を観ているような気分。

 総じて本作は映画としては少々物足りない感じである。落ち着いてバランスの取れたものではなく、強烈でちょっとだけでも印象に残る作風で作って欲しかったかな?

(評価:★2)

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