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[コメント] ゴースト・イン・ザ・シェル(2017/米)

これはこれでリメイクの大正解。ただし、そんなもんは全く見たくなかった。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 不安が無かったと言えば嘘になる。『アベンジャーズ』(2012)などで見慣れているスカーレット・ヨハンソンはともかくとして、サンダースという監督は大っ嫌い。前作『スノー・ホワイト』を金出して観たという事実に腹が立つレベル。

 それに世界的な興行成績を見ても、本作は決して高くはない。専ら「失敗作」と呼ばれる類いに入っている。更に結構宣伝は出ていたものの、あっという間に公開終了になってる。この状態で期待しろという方が無理。

 …というマイナス要素はあったが、本編そのものは割と普通に観る事が出来た。

 少なくとも、あのアニメをここまでちゃんと実写化出来たと言う点については評価すべきだろう。

 それに見る人が見れば分かるリスペクトの多さ。勿論ベースであるオリジナル版の『GHOST IN THE SHELL』から数多くの引用があるのは当然として、それ以外の作品や押井守の私生活に関するエッセイなどからも引用が次々と…

 この人、本物の押井守ファンだったんだ。海外荷もこんな人がいるんだねえ。と、なんか嬉しくなる。

 内容に関して言うならば、非常に薄目のSFと言った風情で、低予算SFにありがちな展開をそのまま使用はしている。

 しかしながら、物語が破綻してるわけじゃないし、致命的なツッコミが入るほどの酷い描写も無い。これと言って特筆すべき所は無いけど、SF作品としては水準を満たすくらいのポテンシャルはある。  実際文句を言う類いのものではない。この程度の出来で充分だとすることも可能である。  強いて言うなら、「並過ぎる」というのはあって、その辺が自分でも折り合いが付いていない。その部分がちょっとモヤモヤしている。

 元々がそれなりにとんがった作品で、そのとんがり具合が受けた作品だが、それを模倣すると、とんがっていたところまで丸まってしまった感じと言うべきだろうか?

 結果として、それなりに見所のあるフツーの作品と言うのが総合的な評価となるだろう。それはそれで正解のリメイクだろうけど。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ロープブレーク[*]

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