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[コメント] スプリット(2016/米)

最近のマカヴォイ、頭に特徴が出てきたな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 多重人格を扱ったサイコスリラー作品。

 多重人格と言えば、一時期えらく流行った時期があった。おそらくダニエル・キイスの作品群のヒットによるものだと思うのだが、小説にとどまらず、マンガとか映像にも一時期大変多くの設定が出たものだ。特に日本でそれが顕著だったかと思う。

 今でも時折そういう設定はSFとかで見かけることもあるが、多重人格障害そのものが医療的には認められてないし、大部分は嘘の証言と言うこともあって、流行りが過ぎてからはだいぶ廃れてしまったようでもある。

 それを今になって復活させたのが本作の肝。設定自体が少々古くさくなってしまった感があるものの、一時期の流行りにも関わらず映画では開拓があまりされてない分野ということもあってか、今になってみると逆に新鮮に思える。

 物語自体は割と一本調子で、シャマランらしくオチも弱い。しかしながら多重人格よりも主人公を少女の方にとって、拉致監禁された少女のタフさを描こうとした脚本は良い。人間関係の緊張感と、なによりキャラが良かったために見応えはあり。

 特に本作は複数の過去の暴力描写が今を作り出しているという、暴力の入れ子構造のような作りになっているのが面白いところ。

 マカヴォイ演じるケビンは幼少時の虐待によって多重人格者となった設定があり、現在その治療中となる。一方ケイシーは幼い頃から叔父による暴力を経常的に受けており、そのお陰でケビンの虐待に近い行為にも耐えることが出来た。この二人の過去の暴力被害がすれ違いながらもお互いの告白になっていく構造はなかなか面白かった。

 決して暴力は肯定的に受け取ってはならないが、その悲しい現実を力に変えたことで本作は観るべき価値のある作品となった。

 本作のオチは二重構造で、ケイシーがケビンの拘束から逃げ出すことが一つ目のオチで、もう一つのオチは実はこの作品が『アンブレイカブル』とつながっているという事実なるほど新作が作られるのは納得した。

(評価:★3)

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