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[コメント] 15時17分、パリ行き(2018/米)

実験的作品という位置づけで良いだろうか?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 2000年代になって一気に頭角を現したイーストウッド監督。これまで様々なジャンルに挑戦してきたが、『J・エドガー』以来実在の人物をモティーフにした作品を連発してきた。多分これが固定化された作風と言う事になるのだろう。

 そしてイーストウッドは、どんどんリアルタイムに近い時間軸の物語を作り始めた。

アメリカン・スナイパー』であれ『ハドソン川の奇跡』であれ、10年以内に起こった物語を映画にしているし、実際現場にいたという人物を多用し始めた。

 それが出来るのは監督ならではだという。

 事情通の話によれば、ハリウッドの監督の中ではイーストウッド監督は極めつきの早撮りで、かちっとした演技指導もしないため、素人でもカメラの前に立てるそうだ。

 その強みを最大限に活かしたのが本作となる。なんせここに登場する人の大部分は素人そのもの。実際にこの事件に関わった当人を多用して一気に撮り上げたらしい。

 その意味では唯一無二のリアルな作品とは言えるのだが、リアルすぎる話ってのは、盛り上がりは一瞬だけなので、えてして退屈なだけのものとなる。

 本作の場合、地道にその「退屈さ」を描いていることもあって、とにかく盛り上がりに欠ける。それが全く楽しくないってのが最大問題。最後のアクションに至るまでが長く、肝心なアクションが一瞬。どうやってこれで盛り上がるというのやら。

(評価:★3)

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