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[コメント] スマホを落としただけなのに(2018/日)

テレビドラマにすべき内容を無理矢理一本の映画に押し込めた感じ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 落としたスマホが解析されて、犯罪に巻き込まれてしまうと言う現代的なテーマで展開する作品。未読ながら原作はそれが上手くいったらしく、ベストセラーとなったらしい。

 ただ、恐らくその新しさの部分がうまく映像化出来なかったという印象。

 多分元の原作の内容は相当に詰まっていたのだろう。それは物語としても、又知識としても。それを映像化する際、省略しなければならないところが多すぎてスッカスカな内容になってしまった感じ。

 恐らく映画ではなくテレビで10時間ほど使って作るべき作品だったのだろうと思う。時間をこれだけしか使えないと、話が駆け足過ぎるのだ。事件の発端となるスマホを忘れた事件が一切の伏線なく冒頭で起こっているし、そこからの展開も早すぎる。言い方を変えれば「スピーディ」とも言えるだろうけど、長い物語を消化するために駆け足になってしまった。物語が都合良く展開しすぎるので、なんの感慨も持てない。

 メインの北川景子と田中圭、それに成田凌の物語があまりにあっさりしすぎ。一方で犯人の割り出しを担当する警察の方が個性的なのだが、それが本編に上手く関わってこない。結果バランスが悪いまま終わってしまった。

 近年中田監督の劣化具合が激しいが、本作もその象徴的な物語とも言えるかな?続編が出てるのだが、バランスの悪さが解消されていることを望む。

(評価:★2)

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