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[コメント] 007/ロシアより愛をこめて(1963/英)

スパイというのは、時として罠と知りつつ飛び込んでいく覚悟が必要なのだろうが、ボンドの場合、それが日常化しているというとんでもないことが発覚した一本(笑)。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 このシリーズはリアリティより格好良さ(ロマンと言い直しても良い)の方が重要だという方向性がより明確化した作品でもある。

 設定的にはやっぱり穴が多い作品なんだが、それを上回るコネリーの魅力と、ビアンキの妖艶さ(と健気さ)、アクションの派手さできちんとフォロー出来ている。ボンド・ガールとはかくあるべし。と言う存在感を魅せてくれた。又、宿敵スペクターの存在感も非常に大きくクローズ・アップされ、まさにボンドの「宿敵」と言った風情を演出していた(スペクターは「SPecial Executive for Counterintelligence, Terrorism, Revenge, and Extorition」の頭文字を取ったもので、名前からしていかにも「悪の組織」という風情を醸してる)。特に決して顔を見せないナンバー・1の存在感は後のシリーズでも健在…しかし、このナンバー・1が常時チンチラをなでてるお陰で、映画ではネコが悪役になるのが定番になってしまったんだよなあ。ネコ好きとしては怒るべきかも知れないな。

 この作品ではやっぱりオリエント急行での殺し屋グラント(ショウ)との息詰まる決闘シーンが良い。行動が限定される車内で最大限相手にダメージを与えようとする二人の戦いは見所あり。本作から本格化したスパイ・グッズ(本作ではアタッシュ・ケースの仕掛け)もほどよい緊張感を演出している(Qとボンドの丁々発止のやりとりってここからもう始まってたんだね)。

 確かに設定とかには相当無理があるんだけど、どうせ確信犯だから目を瞑ろう(笑)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゆーこ and One thing[*]

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