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[コメント] ウォーターワールド(1995/米)

コスナーのフィルモグラフィにも重大な汚点を残した作品ですが、以降の作品は開き直れたから、転機になったと言うべきかもしれません。犠牲は大きかったけど。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 コスナーを主演に迎えたディストピアとしての未来世界を描くSF大作。似たような設定の『ポストマン』と較べ、遙かに金を使った作品で、相当な期待作だったらしく、当時はかなりCMを見受けられた。

 ただ、コスナーの場合、元々SFとはあまり相性が良くない。渋みのある演技力を持ち、殊更マッチョというほどででないので、造形的にSFヒーローになりにくいタイプだし、事実コスナーがSF作品の主人公を演じても、ダークヒーロー的な位置づけになりがち(ぶっちゃけ悪人顔だってこと)。こういう造形だと、かなり大人向けにする必要があるのだが、本作の場合殊更大人向けではないので、ヒーローの造形が非情に中途半端。時折コミカルな演出もあるが、それが見事なくらいに外す。

 更にアクションも派手な割に華が無く、妙に地味目で、印象が薄い。

 SFなのに、全然SF的ギミックが活きてない。

 ストーリーが間延びしすぎて全体的に退屈。

 …と、まあ、はっきり言って本気でどうしようもない作品なのだが、正直何故これで大作映画を作ろうとしたのか理解に苦しむ。最終的に1億7500万ドルの製作費がかかったそうだが、到底ペイできるものではない。

 オスカー俳優でもあるコスナーの魅力でなんとかしたかったのだろうと思うのだが、前述の通りSFには合わないキャラだし、撮影中にコスナーの浮気が発覚。妻と離婚。更に愛人との出産認知問題もあって、実生活はボロボロで、更にこれまでの「家庭的」というイメージが崩れてしまう。以降コスナーにはダーティなイメージがつきまとう。 

(評価:★2)

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