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[コメント] 喜びも悲しみも幾歳月(1957/日)

おいら岬の灯台守は〜♪」ってフレーズは耳に残ります…なんとなく『妖星ゴラス』(1962)の「おいら宇宙のパイロット」とかぶるんですけど(笑)
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 名監督木下恵介監督の代表作で、日本の映画史を語る際に重要な位置づけを保ち続けるであろう傑作。1957年邦画興行成績2位。

 本作の物語は灯台守の家族という特殊な職業のミニマムな目から俯瞰してみているのだが、本作はまさに日本の昭和史そのもの。こんなものを作ろうと考えた事自体が凄い冒険ではなかったか?と思えるほど。

 家族としての物語で見る限りは、職業が特殊なだけで基本的にはどこにでもあるような普通の生活が主に描かれていき、展開はのんびりのんびりと言った風情だが、単なる家族の物語であっても時代背景に合わせてあるため、それだけで充分興味深いもの。

 それに頻繁に転勤を繰り返し、日本全国を回っていると言う設定だけに、日本中の、最も美しい、そして最も厳しい風景を切り取って見せてくれている。この撮影当時の風景でも今となっては貴重な映像資料になるため、この一本で全国を撮影したと言うだけでも、後年の目で観るべきものに仕上がっている。

(評価:★4)

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