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[コメント] 愛と死をみつめて(1964/日)

吉永小百合を「化け物」呼ばわりさせた脚本は、相当の冒険。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 1962年に『キューポラのある街』でブレイク。以降立て続けに主役級の出演が相次いだ吉永小百合が主人公で、本作も1964年邦画興行成績2位。と言う記録を残している。

 吉永小百合というと、私の世代ではもはや無いのだが、当時は徹底した清純派女優として有名だったはず。本作も確かに性格の面で言えば、間違いなく清純派には違いない。違いないんだけど、「化け物」呼ばわりされる役に体当たりで挑戦するというのが凄いところ。

 基本的にストーリーは極めて単純なのだが、だからこそ、徹底的にねちっこく描いてくれる演出もなかなか。徐々に顔が崩れていく。死が近づいてくる。その中でいかにして愛というものを出せるのか。確かにベタだけど、だからこそ、役者の力量が問われる。

 結局救いようのない話だからこそ、最後に残る感情というものが重要となる。それが主題。

 不覚にも、ラストはやっぱり涙が…くう。

(評価:★4)

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