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[コメント] ダンボ(1941/米)

やっぱあれはサイケデリックの走りだったんでしょうか?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 言うまでもなくディズニーアニメの傑作の一本。私の幼少時代には既に絵本があって、家にも置いてあったのだが、実際に本作をこの目で観たのは随分後になってから。

 その目で観ると、本作は徹底して子供のためとして作られていることが分かる。どんな人間でも必ず良いところがある。何より自分のことを分かってくれる友達がいる。という事を前面に押し出した極めてストレートな内容となっている。時間もほどよく、小さな子供でも充分楽しめる内容になるように相当に吟味されて作られていることが分かる。だからといって無難な内容ではなく、ダンボは数多くの危機に見舞われるし、他人からも馬鹿にされ続けるという責め苦を負わされることになるのだが、テンポの良さが、その重さをしっかり受け止めているところが特徴だろう。アニメーションとしてのバランスの良さは特筆すべきものがある。

 製作はなんと1941年という事で、既にヨーロッパでは戦争が始まっていて、アメリカにも戦火が迫っていたのだが、だからこそこういったベーシックなものを作ろうとしたのかもしれないね。この年代でここまでの発色と動きをアニメで出来たことは驚かされる。

 後本作の特徴として色彩感覚の凄さもありだろう。原色でここまでやると、ちょっと目が痛くなるほどなのだが、特に酔っぱらいのシーンはほとんどサイケデリック風。調子が悪い時なんかは吐きそうだが、あれを閉じこもった大音響で観ていたらトリップ出来そうなくらい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りゅうじん[*] Myurakz[*]

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