コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] コンチネンタル(1934/米)

ダンス映画黄金期はここから始まる。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 40年代から50年代にかけ、ハリウッドの一大ジャンルに成長することになるダンス映画。有名なのはMGMによるもので、まさしくハリウッドを代表する映画にまで成長することになる。そのきっかけとなったのは本作とされている。その意味で本作こそがダンス映画黄金期の屋台骨を作った作品と言うことになる。

 ダンス映画のパターンは概ね決まっていて、その多くはいわゆるラブコメ調となる。しゃれた会話とテンポのいいストーリー。アップテンポな音楽を合わせて軽快な作品に仕上げる。あとはオープニングに複数キャラによる、軽いダンスを。そしてラストに男女二人による圧巻のダンスシーンを入れるというパターン。これこそが黄金パターンで、この陽気さこそがアメリカへの憧れを想起させるようになってる。その意味ではこれこそ古き良きハリウッドを体現しているものだろう。その走りとして観るならばご都合主義の物語も充分楽しめる。

 圧巻は最後のダンスシーンだろう。5分弱かも知れないけど、これだけで本作の素晴らしさは充分に伝わる。

 アステアは単にダンスが上手いだけでなく、女性と組むと、ちゃんと相手を目立たせるようにちょっと引いた形で踊るため、見栄えがいい。徹底したリハーサルとその配慮が行き届いた振付のお陰だ。

 ラストの舞台はベークライト(合成樹脂)が用いられるが、この床は見た目は良いが踊るとすぐに傷ついてしまうため、撮影の合間にはスタッフ総出で床を磨き上げる必要もあったとかで、5分のシーンに3日を要したと言われる。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。