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[コメント] デスペラード(1995/コロンビア)

ホットでクール!な作品。大好きです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ロドリゲス監督を世界に認めさせることとなった低予算映画『エル・マリアッチ』(1992)から3年。実に千倍もの予算(700万ドル)をかけ、主人公をアントニオ=バンデラスに替えて、大作として製作された。

 前作『エル・マリアッチ』の演出では、「この低予算でよくここまで!」と感心出来たが、本作はそれに輪をかけて演出がもの凄い。

 この演出を称するに「ホットでクール」(?)。バンデラスとハエックという、徹底的に濃いコンビが画面に出っぱなし。しかも超絶的なアクションシーン満載で、むっちゃくちゃ熱い!それでいて、演出がとても格好良い。むっちゃクールだぜ。

 普通ガンアクション作品というのは、あり得ない派手な演出がなされるものだが、どこかでリアリティというものを考えるものだ。ところが、本作にあって、「そんな演出など糞食らえ!」とばかりに、とにかく派手でありさえすればいい。と言った感じで演出がなされている。マリアッチの主装武器はショットガンを短銃にまで挽き切ったもので、どう考えてもこれを片手でぶっ放すなど不可能なのだが、それを悪びれもせずにやってしまうし、そのギターケースには他の拳銃も満載(その中には『フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996)で用いられたチ○チ○銃まで入ってたとか)。更に彼の助っ人として登場する二人に至っては、ギターケースに機関銃は内蔵されてるわ、果てはミサイルまで搭載してるわ。もう無茶苦茶だ。それで吹っ飛ぶ敵の演出まで凝りまくり…しかし、ここまでとんでもない演出がされていながら破綻してないのが本作の最大の特徴と言えるかも知れない。  前作でマリアッチ(カルロス=ガラルドー。本作でも撮影補助として参加し、ちょっと登場もしてる)がマリアッチと呼ばれるギター弾きになろうとしたきっかけは兄を倣ってのこと。ところがその兄とは…うわっと。これは凄い。演出だけじゃなく、物語まで熱いじゃんかよ!

 設定において、左手が怪我してるので、ギターはもう上手に弾くことは出来ない。でも拳銃は持てる。ってのも泣かせる設定だよ。その哀しみがそこはかと漂うのも良いんだ。

(評価:★4)

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