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[コメント] 散り行く花(1919/米)

アメリカン・ドリームの一側面が現れている。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 正直、この作品はかなり驚かされた。この時代の作品で、まさかこんな暗い作品見せられるとは思わなかった。

 本作の最大特徴は、とにかくリリアン・ギッシュを美しさに特化したものとなっていること。薄幸の美少女(と言うには多少歳食ってるけど)の魅力を存分に活かしている。お陰でギッシュはアメリカでの人気を不動のものとした。

 一見本作は最初から最後まで暗い物語で、オチも救いがないのだが、どんな状況にあっても、否、不幸になれば不幸になるほど、輝く美しさというのがあることを示して見せた。この視点は監督特有のもので、非情に珍しい視野を持った人だと思える。

 更に、アメリカン・ドリームの国だけに、本来強い者を賞賛するお国柄で、人種を越えて純愛を貫く作品なんかを作ってくれた。そんな意味では本作も『國民の創生』や『イントレランス』同様、極めて挑戦的な作品と言えるだろう。

(評価:★3)

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