コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 翔んだカップル(1980/日)

最初に観たときは「恥ずかしい」以外の感想がなかった記憶。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 それまでアダルト作品での下積み助監督を続けてきた相米慎二の監督デビュー作。薬師丸ひろ子の主演第一作で石原真理子も女優デビュー作と、80年代の映画界を牽引するキャストとスタッフがここから始まった記念碑的な作品でもある。

 私がこれを観たのは公開からだいぶ後になってからだが、前半のシーンに見覚えがあったため、恐らく昔テレビで放映したのを観たことがあったのだろう。だから観たのは二回目になるはず。

 監督の諸作品を観た後になって本作を観てみると、非常に面白いことに気づく。  後のヒットメーカーとなって作った作品と同じ手法が本作でも採られている。それは男女のバストショットの一発撮りや、監督の個性とも言われる独特なワンショット長回しの撮影とかのこだわりである。  監督が下積み時代に「俺だったらこう撮ってやる」という、相当強い思いを持っていたんだろうな。一作目から監督の個性が出まくってる。

 それと、何故この作品最初に観た記憶がないのかというのもよく分かった。

 単純な話だが、かなり恥ずかしい。「初々しい」とも言える薬師丸ひろ子や石原真理子の演技も、その当時は凄く痛々しく感じてしまって、観続けられなかったんだろうと思う。あれを余裕もって観るだけの目が当時は無かった。

 今となっては普通に見られるようになってるけど、その当時の思春期の自分自身についても思いを馳せる。決して羨ましくはない。ただアニメーションだったらスルーできる描写が実写だとこんなに恥ずかしいものなのかという思いが凄く強かったように思える。

 今観てみると、自分自身の思春期時代が透けてくるので、別な意味で恥ずかしい気になるけど。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。