公開当時、非常に有名になった作品で、時ならぬ“ブッシュマンブーム”を引き起こすこととなった。とは言え、ＣＭで流れるのはライオンに追いかけられたニカウが木によじ登ったらぐーんと曲がってしまい、ライオンの目の前に…と言うのだけ。それだけ見るとコントのように見えてしまうのだが、実際の内容は結構深い。ドキュメントとしての現地の生活の描写、そして文明社会との(決して望んでない)接触。そしてラストの神々しい描写。笑いの中に文明批判なども含まれて、笑いつつ自分自身のことを振り返らせる内容を持っている。

　映画撮影にびびる事無く自然体で演じてくれたニカウの描写も良し。

　惜しむらくは内容を換骨奪胎した続編に呑み込まれてしまい、これまで色物に見えてしまうことだが…