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[コメント] 砂漠の流れ者(1970/米)

最後の西部劇作家と呼ばれるサム=ペキンパー監督。監督お得意のバイオレンス色を排してさえ、これだけ質の高い作品を作ることが出来たという事実に、素直に賞賛を送りたい。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 生活臭のある描写が大好き。具体的に言えば、食事シーンがたくさんある映画。しかもその食事は出来るだけチープなものを、ガツガツと食べる描写が何より好き。西部劇で言ったら『ロイ・ビーン』が好みなのだが、本作もそれに劣ってない。見事な生活の匂いが漂ってくる。これを冗長と見る向きもあるんだろうけど、全くそれは感じなかったな。小さな事件とそれにまつわる生々しい人の生き方。それに何となくと言った感じの共同生活。これだけで充分。

 又、この作品の映像は面白く、逃げるとか、走るとかのシーンはまるでコマ落としのようなスピードで、何となくコント風で楽しい(これって結構撮るの大変だと思う。だって走る人は良いけど、周りの人は動きをスローにしなくちゃならないから)。特に前半部、ワイプを多用したのも狙ってのことかと思う。意外に繊細な撮り方をしてることがよく分かる。

 ラスト部分はかなり意外だったが、原題にある「バラード」を見事に表していた、良い雰囲気の終わり方だったと思う。2時間の映画で一人の人間の一生を描くってのがちゃんと可能だったと言うこと。

 最後に自動車が出てきた時点で本当に「最後の西部劇」となったんだろうな。これは。

(評価:★4)

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