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[コメント] トーマス・クラウン・アフェアー(1999/米)

いろんな意味で意気込みは感じられるのだが、それがことごとく外しまくっているように見えてしまいます。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 マックィーン&ダナウェイ主演の『華麗なる賭け』(1968)リメイク(ダナウェイは本作でも精神分析医として登場している)。なんの苦労もない大富豪が趣味で泥棒してるという設定はそのまま、心理劇の方に強調が置かれているのが特徴。

 ただ、オリジナルのような視覚効果はなく、心理描写に力を入れすぎたのか、ブロスナン、ルッソ共に今ひとつ弾け足りない感じ。

 この二つの作品を比較してみると、主人公のパワーダウンが一番の問題だと思う。考えてみると、いかにも“アメリカ人の典型です”と言ったマックィーンと較べ、アイルランド生まれのブロスナンはこういう貴族的な役柄が似合うような気がするんだけど、いざ本当の金持ち役をやってみると、何故かマックィーンの方が金持ち役には似合っているという事実。成金趣味でけばけばしい格好だから似合ってるんだろうか?それに『テイラー・オブ・パナマ』(2001)で見られるようにボンド役から離れると、ブロスナンは悪役をやりたがる傾向があるのだが、やっぱりボンド役がはまっているのか、悪役が今ひとつ似合って見えない。

 それに心理的駆け引きに焦点を置きすぎたためか、話が静かに進みすぎるのも問題か。豪奢なセットが浮いて見えるし、物語が静かすぎるので、展開がかったるく見えてしまう。

(評価:★3)

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