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[コメント] 巴里のアメリカ人(1951/米)

物語を観るのではなく踊りを観る作品。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ストーリー展開はご都合主義の嵐で、リアリティなんてまるでないし、パリが舞台と言うことになってる割にベタベタなアメリカンなセット丸出し。ダンスナンバーがほとんど物語に関係なく出てくるのもちょっと下手かな?

 とはいえ、それを感じさせなくするのが演出の良さ。一々細かいギミックがうまく作用してる。冒頭シーンの狭い部屋が実に広く見える辺りの演出からぐいぐい引っ張ってくれる。ケリーは完璧主義者と言われるだけあって、どんな動作もしっかり画面映えするように作られてる。

 それにもちろんダンスシーンのすばらしさは言うまでもない。ジョージ=ガーシュインの名曲で彩られるダンスナンバーが実に素晴らしい。たとえセット丸出しでも、音楽で一気に幻想的世界へと入っていく。ラストの長いダンスシーンはため息が出るほどのすばらしさ(あれがクライマックスで、17分もの長さで、なんと542,000ドルをかけたのだとか)。

(評価:★4)

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