[コメント] テキサスの五人の仲間(1966/米)
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この映画でなんと言っても感心したのは邦題が絶妙だという事。原題が『A Big Hand for the Little Lady』(直訳すれば、「小さなレディの大きな手」。意訳すれば『メアリーの大勝負』とでも付けられるだろうけど(…私って本当にセンス無いな)、それをこんな題にしてしまったと言う事が凄い。何せ、カードをやっている仲間は5人だから(題に「仲間」と入れたのが巧い)。きちんとそれを踏まえた邦題の佳作と言って良いんじゃないかな?
物語を詳しく書くのは避けたいが(今更だけど)、本作では兎に角ヘンリー=フォンダの巧さが光る。この人が演じるキャラクターで好評を得たものは、大抵意思がしっかりして、正義の体現者と言った役回りなのだが、本作では気の弱い、それでも欲望に弱い人物を好演している。でも、その本性は…ラストシーンで見せる笑顔は、本作でのキャラクターのみならず、彼の主演作の他では見る事が出来なかった見事なものだった。
正直、このオチは想像もしてなかったし、あれ?これで終わり?と思った瞬間のあの笑顔で完全に参った。見事な作品だよ。これは。
カードが終わり、それぞれ家路に就く金持ち5人の表情も良い。彼らは本当に幸せな気分に浸っているのだから。ある意味あそこで終わっても良かったと思う(その場合評価はかなり低くなるだろうけど)。
私の友人で、「俺は結婚詐欺師に憧れる」と言っていた奴がいた。「人は騙される事で幸せになる事があるんだから。結婚詐欺ってのは、夢を与える人間の事だ」とか言っていたが(ちなみに彼は現在は家族を持って幸せな生活を送ってます)、確かに騙される事によって、幸せを得る事も出来るんだよな。騙されている事を知らなければ、それは彼にとっての真実に他ならないんだから。大切なのは自分の持つ真実を信じる事なんだろう。
…なんだ?結局これじゃやっぱりネタばらししてるじゃないか(笑)
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