[コメント] ダーティハリー4(1983/米)
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7年ぶりの「ダーティハリー」新作で、これまでハリーを演じていたイーストウッド自身が監督も行った、このシリーズでは初監督になった。その話題性もあり、1984年全米興行成績10位とかなりのヒットを記録した。
しかし、作品そのものとしてはちょっと手抜きという感じが強い。物語が都合良すぎるのと強引なこと、それにいきなりラブロマンスものの要素を入れてしまったため、ダーティハリーっぽく無くなってしまった感じ。ラストでちょっとダーティさを見せはしたが、それだって惚れた女のために方を曲げるってのじゃなあ。当時つきあってたロックをなんとか目立たせようという“親心”が物語の足を引っ張った形。
普通この手の話って小さな事件を捜査している内に巨悪にぶち当たることが多いのだが、本作の場合はそれを逆にしてみたのは面白いところだった。最初が連続殺人犯!と出ていて、ハリーの行く先々で事件が起こるので、ハリーを狙った事件?あるいは全米を股にかけるような組織?と思わせておいて実はたった一人の女性の復讐劇だったというオチにはかなり唖然とさせられる。普通考えないようなことをやるのはイーストウッド監督らしさとも言えるけど、本作に関してはちょっと外した感があり。視点がユニークだから、面白くなるかならないかは賭のようなものなんだろう。
ただ、演出の良さは流石!と思わせる。特にオープニングで逆光で登場。しかも顔を見せないものだから悪人かと思わせておいて、にゅっとあの長い銃身が登場する!このシーンだけは出色の出来だろう(ただ、ここで使われている銃はこれまでのS&WM29ではなく44オートマグ。マグナム弾を発射できるオートマチックとしてファンは多いのだが、設計に無理があって不良銃として有名な銃だったりする)。
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