[コメント] バニラ・スカイ(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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予告以外の何も見ていかなかったため、そのストーリーには思い切り驚かされた。冒頭の悪夢のシーンでもそうだが、特に後半になると、何がなんだかだんだんと訳分からなくなってくる。後半もかなり進んでから、やっと冒頭のシーンがつながると言う事実に思い至り、そこからはストーリーの予測がつくようになったが、なるほど。
寝て悪夢、起きても悪夢の世界。その極端な世界の中で苦悩するディヴィッドの役をトム・クルーズが好演している。本当に演技派に転向したみたいで、上手くなっているし、キャメロン・ディアス、ペネロペ・クルス共に華のある役者だ。特に撮影の巧みさのお陰で二人のヒロインが実に際だっているし、ディアスは結構キレた演技もできる。こう見てみると、この人の笑顔も怖く見えてしまうから不思議。さりげなくカート・ラッセルが出ているのも良し。
中盤から始まる謎のようなストーリーも、注意して観てみると様々なキー・ワードがちりばめられていることに気付かされる。自分が望む世界を壊すことが可能なのは結局自分自身の中にしかない、と言うストーリー展開に持っていくのは結構深いし、夢の限界性と言うものも暗示されているようだ。自分の理想とする世界で何故悪夢を見なければならないのか。それは結局自分自身でそれが不自然であることを認識づけているからに他ならない。それこそが正常の印というものだ。
ただ、この映画、評価したくないのがラスト。ストーリーの構造上ああ持って行くしかないのだが、『トゥルーマン・ショウ』とまるで同じ。ストーリーの構造も後で考えてみるとよく似ている。そりゃ、確かに自分が理想としているヴァニラ・スカイの中での恐怖克服は本人にとっては一番の理想だろうけど。
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