ちょっとしたすれ違いがどんどんシャレにならない事態になっていくと言うのは実際にあることで、端から見て無茶苦茶仲の悪い人同士の、最初のきっかけはなんでこの程度で？と思われる事が事態を複雑にしていっていることが本当にある。多分私自身もそうやって小さな事で人を傷つけているんだろうと思うし…

　そう言う意味では結構期待していた作品であった。どれだけ私自身に“痛さ”を感じさせてくれるか。観る前は結構ドキドキしてたのだが…

　しかし本作の場合はそれが極端に誇張され過ぎていて、全然リアリティがないところが問題。もうちょっと日常的なレベルでリアリティを増すか、逆にいっそのこと、やりすぎてもっと馬鹿げた派手にするかにした方が良かったんじゃなかろうか？どうにも作品としては中途半端であり、娯楽なのか、痛い作品なのか、その方向性もはっきりしてなかった。

　キャストは豪華なんだけど、役も今ひとつはまっていなかったように思える。特にアフレックを中途半端に善人にしてしまったお陰で、あっちにふらふら、こっちにふらふら。観てるだけで苛ついてきた。使い方が駄目すぎ。決して下手ではないにせよ、勿体ない使い方だ。ジャクソンは相変わらず作品ごとにころころ変わるけど、今回はちょっとはまりきれなかった感じ。

　結局脚本が物語を生かし切れなかったことが最大の敗因だと思われる。