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[コメント] SWAT(2003/米)

前半の訓練シーンは面白かったのに、後半になると…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 70年代のテレビシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』の劇場用リメイク作品。S.W.A.T.とはSpecial Weapons and Tactics の略で、特にアメリカの警察に設置された特殊任務部隊のことで、対テロなどの特殊任務を行う部隊。日本では馴染みがあまり無いが、そんなものが必要なアメリカという国をよく表した組織だ。更に若手では注目株のコリン=ファレルが主演とあって、劇場で観る気だったのだが、結果的には観られず、テレビで鑑賞となった。

 本作は大変魅力的。どこが?と言われると、前半部分がほとんど訓練だけで構成されていること。その訓練風景はリアリティに溢れ、観てるだけでなんか嬉しくなってくる感じだった。こういう淡々とした風景をちゃんと緩急を付けてしっかり撮りきったところは実に嬉しいところだ。

 ただ、折角だから本作はそれを拡大して、小さな任務を淡々とこなしていく日常描写に特化して欲しかったところ。もっと厳しく、そして訓練語の日常生活まで細かく描いてこそ、本作は映えたはず。せっかくの魅力が後半になって、ただ派手なだけのアクション作品になってしまったのは大変残念。盛り上げがどうしても必要ってのなら、もっと事件は小さくて良いんだよ。それをプロらしく命令に忠実にこなしてこそ、S.W.A.Tと言う題が活きるんだが…

 それで、前半であれだけ楽しませておいて、後半でグダグダにしてしまう映画の姿勢にははなはだ疑問。後半、街に賞金狙いが山ほど出てきたのはジョークとしては笑えるんだけど、単なる馬鹿だし、その後のアクション部分は金遣っただけの凡百作品に堕してしまった。

 大体ファレル演ずるストリークが任務遂行後にギャンブルを追いかける動機はまるでないはず。あれじゃ警察じゃなくて単なる個人的恨みでしかない。

 魅力的な題材を使ってるんだから、その魅力を最大限発揮して欲しかったよ。

(評価:★3)

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