スパイダーマンが恋する女の子、ＭＪ。彼女の「リアル」さがこの映画を立体的にしている。

彼女が単なるヒーローものの置物的な女の子だったらこの映画の観るところはＣＧの迫力だけだ。

彼女はわかっている。

たぶん、彼女は同姓から妬みで嫌われたり、友人として好かれたりもするだろう。また男からも人気だったり、またすぐ喧嘩して嫌われたりもするだろう。

そんな彼女、複雑なような感じがして実は凄くシンプルに「リアル」。 「リアル」だからこそステレオタイプのキャラクターで収まらない。

彼女の「わかっている」ことは、

１、男をみる目。（まず最初のボーイフレンドは強い男の子、次に主人公の友達のお金持ちの男の子、そして完全ヒーローのスパイダーマン、最後に優しい主人公）

２、自分の夢。（彼女は女優になるためニューヨークに行く。コーヒーショップで働きながら、こつこつとオーディションを受ける。プロデューサーと寝るようなことはしない。）

３、性格（強くて、優しい。いじめられている主人公が乗り遅れて走っているのを見るとバスを止めてあげたり。そして純粋にものごとを楽しめる。彼氏がいい車を乗ってきて遊びに行くところ、スパイダーマンとキスしたときの体から喜びがでているところ。またすぐ怒ったりする。お金持ちの彼氏の父親にひどい事を言われ激怒したり、自分の父親と喧嘩したりする。そして人の話をよく聞く。父親と喧嘩したとき主人公と庭で会い、主人公の話を真剣に聞く、またスパイダーマンの話を主人公から聞く時も真剣だ。）

こんな彼女、最高だ！ 特にモテナイ内気な男たちから見たら眩しいぐらいの魅力をもっている。強くて、優しくて、楽しくて、美人で、人の話を聞いて、自分の夢をもっている。

そのもっとも彼女が「わかっている！」と唸らせたシーンはあのキスシーンだ。 彼女が強姦されそうになったときスパイダーマンが助け彼女は「お礼させて」と言う。スパイダーマンは逆さになっていて彼女はマスクをゆっくり下ろす。そして半分までのところでキスをする。やられた！うまい！わかっている！ スパイダーマンは去っていき彼女は雨が降っているのに天を見上げ今にも飛び上がるぐらい嬉しそう。この半分だけマスクを下ろすというところが彼女の優しさが出ていてとてもいい。

この映画本当に彼女の魅力でいっぱいだ。

ＭＪ。あなたは「わかっている」。

そのいい女をスパイダーマンはふる。 「強い力を持つものは、強い責任がある。」 彼女を大事に思うからこそ、彼女を巻き込みたくないから、彼女をふる。

ＭＪがいい女だからこそこの「責任」の重さがすごくわかる。

ＭＪ！最高だ。