この映画を見て、大人は子供をほうっておけ、子供は子供なりになんとかやって行く、という肯定的なメッセージを感じた自分はのん気すぎるだろうか。 パンも買わないで夜遅く帰ってきた息子に、一転してやさしい母親、何も言わない父親。そういう感覚がちゃんとあるのは羨ましい。

物語的には無駄とも言える祖父のしつけ論やドア職人の家の中の描写が、映画を単に子供の側だけを描いた、子供の頃ってこんなだったよね〜、な世界に終わらせなかった。子供のリアリティと等身大の現実。過剰に感情移入をしない演出に子供の世界への節度を感じた。