[コメント] カプリコン1(1978/米)
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どうしてこんな評価が高いのか全然わからない。サスペンスと思ってもストーリー穴だらけだし、科学考証を全然してないで「NASAの陰謀」を描こうなんて笑止だ。 なぜあの記者は「消されなかった」のだろうか。NASA職員はあんなに迅速に「消された」のに。ご都合なストーリーがここにあらわれている。
このミッションは、初の有人火星探査のようだから、着陸後は大量の科学的な実験やら観測やらが予定されているはずだ。それは誰がやったのだろう。地球側にはそれぞれの実験・観測ごとに担当の科学者がいて結果を心待ちにしているから、地球に帰還するまで結果が何も提供されないなんて考えられない。まして、このような科学者たちはNASA外部の人も多くいるから、つじつまの合ったデータを提供しないと絶対騒ぎになる。そんな人達も全部「消されて」しまったのだろうか。 そもそも、火星の土壌や大気のサンプルを持ち帰る予定がないとは考えられないから、無事帰還できてはとっても困ったことになるのは明らかで、事故は起こって当たり前。飛行士たちがそれに事前に気が付かないのはどう考えても間抜けだ。 もちろん無人でも同じ実験・観測はできるだろうが、最初からそのように機器を設計・製造できればだ。有人ミッションなら、ある意味で万能機械である人間に各種機能を頼るのは当然で、例えば火星の石を採取するだけの機械なんか搭載していくわけがない。だから、火星の石を持ち帰るなんて無人では不可能だ。
地球帰還近くに、子どもの作文を聞いて宇宙にいるはずの人が涙を頬に伝わせていたから、これが陰謀が露見するきっかけになるに違いないと思って見ていたら、件の記者は案の定繰り返しビデオをみている。だけど、繰り返しのタイミングが変だなと思っていたら、変な顔しているときたもんだ。これには相当ずっこけた。
発想自体は確かに面白いが、「もしかしたら」と思わせる力をこの映画はもち合わせていない。
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