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[コメント] サイレント・ランニング(1971/米)

意志がなければ何もはじまらない。しかし、意志しかなければ何も実現できない。[2002/2/24]
onomon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ハッキリ言って非常に不快だ。

主人公が「森」を慈しんでいるのはわかるし、それを守りたいと思うのも当然だとおもう。でも、8年間も研究してきたのに、植物にとって日照が重要であるという非常に初歩的なことすらわかっていないのだ。いったい彼は「森」を守り通すことが可能だと思っていたのだろうか。「森」を守ろうという意志がなければ守れるわけないが、意志とともに実現するための能力がなければ、やっぱり「森」は守れない。もちろん、彼一人の問題なら、自分の命を顧みず「森」を守るために行動をおこすことは感動を呼ぶ物語になっただろう。しかし、まるでおもちゃを取り上げられそうになった子供が見境なく暴れるがごとく、同僚3人を殺害してしまっているのだ。共感なんて出来ない。

それに、ラストが希望のかけらもない、絶望的なものだ。問題は、わずかの期間先送りされただけでなにも解決されていない。人工重力を実現しているぐらいだからもしかしたらエネルギーは何か裏設定として解決策があるかもしてないけど、コンピュータの能力は高そうじゃないから生態系をコントロールしきれないだろうし、メンテナンスのロボットも堅牢な作りじゃないからたいしてもたないだろう。結局「森」は遠からず死滅するに違いない。主人公は「森」に殉じることができて満足かもしれないが、残りの3人は犬死だ。

「森」が生き残るとすれば、あのドームが植物から進化した恒星間航行種族に拾われて、思いもかけない姿にになって太陽系に戻ってくるという、どっかで聞いた事あるようなことが無ければ無理だろう。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)クワドラAS[*]

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