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[コメント] キサラギ(2007/日)

アイドル稼業に懐疑的な私は、「だけど本当はそこにも真実があるんだ」という最後の真相に感動した。でもアイドルに詳しいある批評家の評では、そここそがこの映画の罪深さであるという…。
イリューダ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







宇多丸さんのことですけどね。たしかに「ファンの手紙のために命を投げ出した」という真相は、アイドルがファン心理の犠牲になることを是とした内容で、昨今のいろいろな事件を考え合わせると、むしろ主人公がトラウマを背負ってもおかしくない悲惨な結末と言える。それをなんとなく美談っぽく終わらせているこの映画は倫理的に問題があるのかもしれない。

なるほどそのとおりだな、と納得しつつも、でもこれは寓話として、特別な関係ではない1ファンとアイドルの間に、ほんの一瞬でも心のつながりができるかもしれない、という希望を描いた作品なのではないか、とちょっとだけ抗弁もしたくなる。そのために物語上、人一人殺す必要があったのか、と言われると降参せざるを得ないが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)カルヤ[*] さず

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