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[コメント] 金融腐蝕列島 呪縛(1999/日)

このテンションの高さはただ事ではない。いまどき珍しい純粋社会派。
イリューダ

社会と真正面から向き合って作られた映画って、本当に少なくなってしまった。社会派の皮をかぶった自然主義文学みたいな映画は結構あるけど。明確な意思を持って、伝えたいことを伝えようとする作品は、なんとなく映画としては邪道だ、という風潮が広まってしまったせいだ。

実を言うと僕も、そういう思いがないでもない。作り手の主張など映画の出来には関係ない。できた映画がつまらなければ、どんなに妥当な政治的主張が盛り込まれていたとしても、駄作は駄作だ。

だけど、作り手の「この映画が作りたいんだ!つたえたいことがあるんだ!」という思い入れが感じられない映画って、やっぱりどこか味気ない。作り手の主張に賛成するかどうかは別にして、そういうパワーにあふれた映画には引き込まれる。

「主張」や「意見」は免罪符にはならない。だけど面白い映画を作る原動力にはなるのかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ジャイアント白田 ハム[*] uyo[*]

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