[コメント] 小説吉田学校(1983/日)
実は私は「派閥争いフェチ」。
普段そんなに政治に興味がなくても、ことが政局に及ぶともう楽しくて仕方ありません。昨年の加藤政局のときも、わくわくして毎日ニュースなどを見まくっていました(あのオチには憤慨しましたが)。だから原作は大好きな作品で、まるで中学生の時はじめて「三国志」を読んだ時のように興奮しました。(余談ですが、さいとうたかをの、劇画バージョンも非常に良いです)
さてそれだけに期待して、先日初めて本作を見たのですが、ちょっと期待しすぎたかな、というのが正直なところ。原作で最も魅力的なのが若山富三郎演じる三木武吉なのですが、あれじゃただのやくざの大親分。飄々とした痩身で、智謀の限りを尽くして吉田に立ち向かった三木のかっこよさが出ていません。(などと分かったようなことを言っていますがもちろん私は三木が他界してから遥かあとの生まれです)
原作を忠実になぞりすぎたために原作の持つパワーを失ってしまうのは本当に良くあること。決して駄目な映画とは思いませんが、もっとおどろおどろしくてむちゃくちゃな、戦後すぐの政治の暗部を描いてほしかった。そこで奮闘していた男たちのかっこよさも。
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