原作でものだめは悪魔の手を取ってしまい（ピアニストとして未完のままシュトレーゼマンと共演してしまい）、失踪する。そして千秋とのピアノ二重奏で千秋のもとに（本当の意味で）戻る。

のだめがシュトレーゼマンの差し出した手を取った場面は、「素人にはわからないけどクラシック音楽の世界って凄いんだ・・・」と本当にゾクゾクした。そこからの共演、そして失踪。「やっぱりクラシック音楽の世界って凄いんだな・・・のだめ、どうなっちゃうの・・・」と本当にハラハラした。

で、色々あって千秋に強引にピアノ二重奏をさせられ、結果のだめは、やっぱり千秋先輩最高（ハート）となるのだが・・・この二重奏が・・・ハッキリ言って地味なのだ・・・。流れとしては納得だしうまいと思うのだが、表現としては正直「え？ダークサイドからの帰還がこんなんで良いの？」と思った。もっと盛り上げてほしかった。

いやもしかしたら、読む人が読めば鳥肌ものなのかもしれない。でも、それまでのすべての演奏場面は素人でも感動できたのだ。それなのにこの二重奏は私の心に響いてこないのだ。

原作は好きだし全体的には凄く面白い作品だと思うのだが、この場面だけは本当に残念である。

そして、本作だ。

不安だったが、実は少し期待もしていた。月９ドラマ、スペシャルドラマ、劇場版前編が良かったので、もしかしたらあの場面を盛り上げてくれるかもしれない、と。

しかし、残念ながら不安のほうが的中してしまった。

のだめと千秋の二重奏が・・・やっぱり地味だ・・・。のだめとシュトレーゼマンの共演よりかなり地味だ・・・。個人的には、『オーケストラ！』でメラニー・ロランが見せたような表情を見せてくれたら、と期待していたのだが・・・ただただ地味・・・。せめて聞く人が聞けばわかる音になっていると良いのだが。

駆け足な部分があるにせよ、概ね原作通りの本作。このラスト部分は難しい実写化だったと思う。お疲れ様！の気持ちを込めて☆４も考えたが、やはり単体で考えると☆３だろう。残念だ。