漫画原作の映画として、これはかなり良い線行ってると思う。エピソードはうまいことまとめられてると思う。

・・・が、原作が面白いがゆえに、ハードルは上がってしまうわけで。★４にはもうちょっとのところで届かないなあ。

その最大の要因は、終盤の、原作とは違うクリスマス前の風早の告白。時間的にクリスマス〜大晦日あたりをクライマックスにするのは仕方ないが・・・映画製作時に文化祭エピソードが間に合っていなかったのだろうか・・・。

原作では、気持ちを誤解し合ってお互い片想いだと思い込んでいた二人。文化祭での爽子からの告白によってやっと心が通じ合うので、焦って告白しちゃう風早の姿にはどうしても違和感を感じてしまった。爽子自身の成長のため、シチュエーションは違っても爽子からの告白が良かったし、もし風早からの告白だったとしても、断る理由が「自分に自信がない」じゃ、普通すぎた・・・。

そして、原作の細かい面白エピソードが削られてるのも少し残念。

個人的には、肝試しエピソードにはもう少し時間を割いてほしかった。爽子に見つめられて風早は照れただけなのに、「３秒以上目を合わせると不幸になるから目をそらした」と爽子が誤解した場面とか、結構大事だと思うんだが（・・・まあ、単に照れる三浦春馬くんをもっと見たいわけだが。龍んちで皆で遊んだとき嫉妬に駆られる姿も、何も知らずに目をつぶって５秒待ってみた爽子に戸惑う姿も見たかった）。ついでに爽子が風早に黙って肝試しのおばけ役をやった理由「言うと風早くんの涼を減らしてしまうので」も、かなりの名台詞だと思うのに。

いや〜でも、二人の出会いのシーンは秀逸！！桜を眺めて微笑む爽子、ふわっと髪をなびかせる風・・・。いや〜、あれは惚れるわ。風早じゃなくても惚れるわ。多部未華子ちゃん最高。