[コメント] コクリコ坂から(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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全体的な雰囲気や、カルチュラタンの方の話は好きだけど。
恋に落ちるドキドキ感を、恋に落ちたドキドキ感を、全然表現できてないじゃないかっ!!
何となく親しくなって、ウキウキして、でも急に冷たくされて、寂しくなって・・・という展開は別に良い。ただ、あまりに唐突な「嫌いになったのならハッキリそう言えばいいじゃない!」にはビックリした。完全に浮いているセリフに感じた。そこまでの細かいドキドキ描写が薄いために、突然の感情の爆発に戸惑いと違和感を覚えてしまった。
・・・え?海ちゃん、そんなこと言っちゃう子だったっけ?そんなこと言っちゃうぐらい追い詰められてる描写とかなかったけど?ついでに女の子にそんなこと言わせるなんて最低だぞ風間、と。
しかし、それよりも大事な話がもう一点。
「兄妹かもしれない」はダメだろ・・・。
「兄妹かもしれない」というのは「子供を作れない」ということであり、もはや二人の交際は手が触れてドキドキするレベルの話ではなくなるのだ。
あ〜もうこの設定に萎えたわ・・・。この設定は完全に「逃げ」だと思う。
こんな本人たちにはどうにもならない恋の障壁は、落ち着く先は(特にジブリ作品なら)「やっぱり違いました、ちゃんちゃん♪」しかあり得ないではないか。乗り越えようもないからつまらない。「違うことを証明できるタイムリミットが迫っている!」なんてことでは大して盛り上がれない。
恋の障壁なんて「私は家計を切り盛りしないといけないから恋なんて・・・」とか、「妹もあの人を好きだから・・・」とか、ベタベタで良いんだよ!そこにドキドキ描写があれば良いんだよ!!
原作があるということなので仕方ないのかもしれないが、この設定は、二人が障壁を乗り越える様を必要としない「逃げ」に思えて仕方がない。
『ゲド戦記』を見て、宮崎吾朗は金輪際脚本を書いちゃいかんと思ったが、本作を見て、宮崎駿もやっぱりそろそろやめておいた方が良い、と思った。
まあ、乙女心をジブリに求めるほうが間違ってるかもしれないが・・・。
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