私はトイ・ストーリーシリーズが大好きである。何せ３作とも☆５をつけている。あれは完璧な三部作と言っても異論はないだろう。ウッディたちはアンディと幸せな時間を過ごし、別れても新たな幸せが待っている、それで終わっていいじゃないか・・・というのが私の気持ちだ。

しかし、私だって理解している。アンディと幸せな別れ方ができたからと言って、ボニーとも幸せな別れ方ができるとは限らない（それを上手く描いてもらえるとは限らない）。だからこそ三部作のその後なんていらない、というのが本音だ。

なのでなかなか本作を見る気になれなかった。でも上映終了間近と知り慌てて見に行った。

・・・最後、ウッディに示される新たな道。それは、自分で切り開ける道。ウッディは、晴れて自由の身となった。必要とされなくなるかもしれないという不安とはもう無縁である。愛する伴侶とともに、これから新たな冒険が始まる。なるほどそうか。これは必然の物語であったか。

・・・・・・と、思ったりもした。必然だったかもしれないが、いやでもやっぱり蛇足なんじゃないか？とモヤモヤが晴れない。自分なりに色々考えてみた。結論はこうだ。

「三部作で終わっていればウッディは幸せなままだったのに」というのがファンタジーなら、「本作で自由の身になったウッディにはきっと幸せが待っている」というのも同様にファンタジーである、ということだ。どのみちウッディたちには保証された幸せなんてないんじゃないかー！！

そもそもファンタジーであるあの“おもちゃの世界”が、本作で改めて見事に描かれているが故に、幸せなだけではないその深い世界観に気づいてしまったのである。いや〜本当に素晴らしい。さすがだよピクサー。でも気づかせてくれなくて良かったんだよ。別に気づきたくなかったんだよ。あぁ、モヤモヤする・・・。

結果、☆４に留まった。

でもひとつ安心したことがある。最近ピクサー作品には脚本が甘いと思うものもあったのだが、トイ・ストーリーに関しては、しっかり練られていないとＯＫが出ないようだ。なのでもし次回作があっても、多少モヤモヤしつつ見に行くだろう。