[コメント] 妻は告白する(1961/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
増村はズルイ。美貌で薄幸で年増の未亡人を言葉攻めにしたりロープで締め上げたり中年男に組み伏させたり水ぶっ掛けたりする一方で、男社会の胡散臭さ(逆に夫が妻のザイルを切っていたらここまで糾弾されなかったろう)や世間様の物見高さ・風当たりの強さをキッチリ描いて、他に例の無い「官能社会映画」をつくりやがった。
・・・とか思っていたら、若い男の青い理想主義的潔癖マドンナ崇拝型な愚かしさ、中年男の一見不器用風嗜虐的自虐的可愛さあまって憎さ百倍型偏愛、愛も自由も知らなかった女の「愛」という見えざるものに対しての絶対的信頼および過剰な期待もうそれさえあればすべての問題が解決されるのよそしてそれを手に入れるためだったらどんなことだってやるわ的恋愛信仰、ヤベッ他の女に負けた!と悟った女の一見冷静沈着風内心必死で第三者的分析をして見せてはアタシには最初からわかっていたわよアタシは常識人だからとてもあの真似はできないわ的プライド防御までガッチリ盛り込んで、「男と女のサジ加減映画」っぷりも完璧ではないか!
・・・ってか何でそんなに人の心のこっ恥ずかしい部分をつくづく知っているんだよう、増村。ようよう。
そこへ持ってきて、若尾文子ですもの。ア、もうダメ。
文子さん、アナタは若い恋人と太陽の下波打ち際で戯れるよりも、雨にそぼ濡れて乱れ髪で恨めしげに喘いでいるほうがヤオヨロズ倍美しいよ・・・
嗚呼、女として生まれたからにはどうしたってそんなアナタに憧れる・・・なりたくないけど・・・
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