偉そうなでだしを言っておいて申し訳ないが、いやはやひどい。 初めの頃は「掘下げが深いな」 とは思っていたがまぁ最後に行くにつれてすべてのピースがはまるのだろうと我慢してみていたが、 最後に向かうにつれて残された時間といっこうに明らかにならない個々のナゾに不安が大きくなってしまうばかり……。 最後の会議のやり取りのあたりからさらに集中も切れて、なんだか演出の陳腐さを感じ佐藤浩一を気の毒に思ってしまいました。 というか個々の俳優さんに豪華なだけになぜ出演をしてしまったのか直接問いかけたくなってしまった。 そうしてまぁ終わった瞬間に、 「うわ〜」って思わず言ってしまいましたよ。

ナンなんだ、 直接的な台詞を恐れるあまり、 演出でそれを補おうとしているのはいいけどそれならそれなりの演出力を見せてくれ、

なんなの黒服に拉致されたの〜

何でキスしてたんだあんたら〜

中井貴一はなぜ写真を燃やしてたんだ〜

如月や、真田に言われたからってお前はすぐに撃つこと躊躇しちゃうのかよ〜

親子かよ（さま〜ず風の突っ込みを入れたい）

そうして 後半のグッソーだかなんだかの爆弾が姿を見せ始めたあたりから この映画が『ロック』のリメイク作品のような錯覚を覚え始め、 というか、船上でのグッソーを落とすあたりとか、 むしろシリンダー製なとこえろから 完全にかぶってる…… いや、むしろ谷原さんとか凄く悲しい死に方だったな、 それはロックにはなかったがもうちょっと劇的にしてやればいいのに……つーか人がみんな特に掘下げもなくハリウッドの無駄なアクション映画以上にシナリオに逆らうのを恐れるかのように死んでゆく。 おいおい、

で、最後はロックのように発炎筒で無事を報せるのか と思いきや

「手旗信号かよ！」

ってまたサマ〜ズの三村のような突っ込みを思わず入れてしまいましたよ。 つーか衛星からの映像がインベーダーゲーム並みにひどいCGでさらに目が覚める勢いでした。 そうして信じる佐藤浩一あたりは甘すぎる…… 防衛庁の敏腕じゃないのかよ！ はーっ

原作者もこれでよかったんだろうか、 いや、そんなことはないはずだ。 重ねて言うが私はこの作品の原作を読んでいない。 だから、この作品のコンセプトやストーリー自体はかまわないと思う。 ただ、映画にしてしまったために省かれてしまった多く、 はいいとして、ナンにせよ描いて演出している側の力不足を感じずにはいられない。 仮にファンの人のための作品にしてもおそらくファンの人はまったく納得しないだろうに、 むしろ侮辱だ。 また これが原作のための宣伝用映像だとしてもその責任を全うすることさえも出来ていない。 だろ 原作が重くても立派な映画はたくさんある。 製作者側は色々と真摯に捕らえるべき、 と思う。

それにしたってかなしい。 日本映画の限界がこれだとしたら、 いや、ハリウッドを意識したアクション路線をおびえることなく踏み出したことは認める。 だから次はその内をよいものを、

日本映画よ頑張ろう。