その悲惨な状況が、次の悲惨な状況を作り、 それを取り巻く状況が、また新たな状況を作っていく事の哀しさと虚しさを伝える。

誰が始めた戦争か、もうそんな事に対する答えは出てこない。

軍事支援を受け独立を宣言し民族浄化を声高に叫んだ事も、 戦争への介入は避けつつも戦争の拡大を防ぎたい国連も、 それを扱うジャーナリズムも、何者も未来を見出せない。

そもそも戦争の理由など、 一般人レベル、局所レベルでは本質的には関係無い、 只々それは恐怖、怒り、イラダチの悪循環になっていくしか無い様を見ている側に突きつけ、 この紛争が如何に、泥沼化に泥沼化を重ね、 近しい所に住む者達がこの悪循環の中で苦しんでいくしか無いと言う現実を見せつけるばかり。

只、最後に残されるのは家族を持ちながらも、 背中に地雷を背負い、見放され生き場を失った普通の人間が残るだけ。

それは戦場に中立地帯などありえない、どこでだって無為に人は死ぬ、 どうしたらこの泥沼化が終わるのだろうか？、と言う強烈なメッセージ。

この映画を見てやっぱり戦争は始めてはイケナイな、と単純な事をふと思う。