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[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)

戦争下ではその運だけがその人間の生き死にだけを左右する。 生きる人間はかくも浅ましく、生き意地汚く淡々と鼠の様に生き延びていく。 只それだけを見せつける戦争劇。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画で、誰かに感情移入して見るとかそう言う事は一切無い、 只々、戦争と言う時間だけが淡々と過ぎて行くのを見ている方は見守るだけである。

当然芸術なんてモノには何の力も無い、 人は只その気分に寄って死を選別され、運に寄ってのみ生き延びるだけである。

シュピルマンにとっても同様、只するのは生きる為に正気を失わない様に夢想の中でその旋律を奏でるだけである。

唯一、弾く時も食料を片時も離さずに置いて、何とかこの危機をかわそうと するだけの言ってみれば、必死に餌を片手に逃げ惑うネズミがいるばかりである。

この映画では、何か派手に感情を燃やそうとか、自分らなりの正義にその情熱を燃やそうと言うドラマは無い。

只、生きる為には怯えて、只ネズミの様に這いまわってでも逃げるしか無いと言う 現実のドラマがあるばかりである。

戦争とは歴史に排泄されただけの汚物と言うのがこの映画にはある。

(評価:★4)

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