コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ニュー・シネマ・パラダイス(1988/仏=伊)

疲れてくると観かえしたくなる映画。 あくまでも完全版のことではありません。
chilidog

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロ−ドショウ版をリアルタイムで見られて本当に良かった…。 かつてこれほどまでに涙腺を破壊された映画はないくらいだった…。

完全版について

日本人としては「みなまで言うな」という気にさせてしまう完全版。しかし ラテン系のトルナト−レ監督の語りたかったところは最初の公開でバッサリきられていたところなのかなあと考えると、ちょっと考えさせられる。量も半端ではないし。そりゃヤボってもんでしょ〜と。 公開時のパンフにはたしか監督は30代となっていたのを観て衝撃を受けたのを覚えている。若いのになんて枯れて深みのある味を出す人なんだと。青い部分はカットされていたのね。

いや〜でも本当に大好きな映画ですよ…。短い方は。

<2004年追記>

この映画で泣けたのは、映画への少年時代への憧憬が盛り込まれていたから 「だけ」ではなく(もちろんそれに泣けるのは、間違ったことではない)、「ここ(シチリア)にはトトの求めているものがない」もしくは「憧憬など幻にすぎない、現実を生きろ」という事実をアルフレッドが無言で教えてくれたから、だ。

見る側に想像させる「とにかくシチリアのことなんぞ忘れ、己だけを信じ、突っ走ってきた」いまのトトが、あるからこその映画なのであろう。

残念ながら、トト(青年期)の映画への(舌足らずな)愛情は見え隠れするものの才能があったかどうかは、いかんせん不明。それを描いていたら更ににヤボってもんだろうけれど、目の見えないアルフレッドにその映画を「見せる」ことで、一応の説明はつけている。その見せ所のわかりにくさが、30代監督の限界かな、とも思ってみたり。上ではほめているけれど。

様々な思惑で編集された公開版と完全版を比較するにつけ、とにかく映画って、監督一人で作っているんじゃないな、と思わされる。どんな好きな、或は偉大な監督であろうとも。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。