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[コメント] 時計じかけのオレンジ(1971/英)

誰に同情することも、誰を好きになることも、誰に感情移入することも許さない映画
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







よーく考えたんですが‥‥、やっぱり好きじゃない。

■前半は良く耐えた

冒頭の暴力的なシーンを我慢し、「凄い映画だもの」と自分に言い聞かせながら、刑務所生活を乗り越え、新治療法をやり過ごし、治療成果を披露するところまで辿り着いたが、ここでついに私もガリバー痛がし始めた。

音楽という緩和剤が、なんとか私をここまで連れてきた。

■でも両親の描き方は許せない

ここまでは我ながら良く耐えた。でも、家に戻った時の両親を見て抑えてきたものが一気に弾けた。

やっぱりこの映画、嫌いだ!

刺激的な描写はともかく、どうしても、両親の描き方は耐えられない。あいまいで愛情なき態度をみせる親は許せないのに、アレックスにも同情できず、下宿人がまた評価できない存在で、なんとも気持ちのやり場がない。

このやり場のなさこそキューブリックの腕前か。

■同情も、愛情も、感情移入も許さない凄い映画‥‥だけど

出てくる奴がみんな嫌な奴。加害者も被害者も傍観者も同情もできなければ、好きになれる奴もでてこない。どこか人の良いところ、愛せるところ見つけてホッとしたい私には、辛い映画だ。

人間の心の奥に潜む嫌な部分描いているのかもしれない。

でも、なんと言われようが、私には、人の持つ「情」を感じさせない映画を見る力はない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)たわば[*] ババロアミルク[*] いくけん[*] けにろん[*]

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