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[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002/日)

青い空は心を無限にする‥‥誇りある新世紀の侍になろう ※20020512・追記
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







‥‥‥戦国の時代

自分の役割を持った人たち

又兵衛、廉姫、春日の殿様、その家臣、仁右衛門とその妻、廉姫の世話役、そして多くの侍たち

小国においてみんな自分が果たすべきこと、守るべきものを知っている

互いの深い愛情と敬愛に満ち、自らの役割に誇りを持って生きている

強い絆で結ばれた世界がそこにはある

‥‥‥現代は、戦国の世のような不安の時代

戦国の小国とは違い、平和の時代に国は一つになり、世界へと広がる

現代に暮らす私たちは、社会に、愛する者に対して「役割」を果たしているか

いや、自分の役割を見失っていないか、よりどころがなくて不安を感じていないか

‥‥‥青い空に浮かぶ雲一つ

小さな事にとらわれない、解放された心の象徴

又兵衛は、青空をながめて心を無にし、小事をふり落として、邪念を捨て、

本当に大切なものを想い、自分に科せられた使命への意識を高めていたのだろう

彼らに比べて、現代に生きるひろしとみさえは自信なげだ

でも親として、子どもを前に逃げるわけはいかない

渾身の力を振り絞って家族を守り、命の大切さを教えなくてはならない

かろうじて現代でも、家族の絆が誇りある日本人の魂を呼び覚ます

‥‥‥青空をみよう

青い空をながめ、心を解き放とう、無限の可能性を感じ合おう

大切なものを想い、家族へ、まちへ、国へ、世界へと意識を広げよう

新しい絆を信じ、そこで自分が果たしている役割に想いを馳せよう

誇りある「新世紀の侍」として

※求めていた時代劇。侍の描き方、合戦の描き方、その中での現代人:野原家の描き方、家族を守るために渾身の力を振り絞る姿、全ての場面から受け取れる深い愛情に満ちた世界感、‥‥その素晴らしさに対して、原恵一監督に敬意を表します。

※20020512・追記(らいてふさんのレビューを読んで)__________________________

らいてふさんのレビューに書かれていた『野原一家が元の世界に帰る条件=「又兵衛の死」』を読んでジンと来ました。そして、子どもたちにその話をして感動し合いながら、次のようにも思いました。

死ぬはずだった又兵衛は、助けられたわけではなくて、国を救う時間を貰っただけだったんじゃないか。そして、又兵衛が撃たれた銃弾は、実はあそこで銃が暴発したわけでも、誰かが撃ったわけでもなくて、実はしんのすけが救ったあの時の銃弾(あるいはあの時撃たれるはずだった銃弾)なんじゃないだろうか。

私も子どもたちも、この映画に対する思いが一層深まりました。らいてふさん、どうもありがとうございました。

(評価:★5)

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