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[コメント] サンダーバード(2004/米)

これは『サンダーバード』ではなく、『サンダーバード外伝〜アランのドキドキ大冒険』という映画に違いない。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は人生の中で2回、サンダーバードにはまった。最初は小学生のとき。夕方にTVで放映されていたのを、よく見ていて、学校でマシンのイラストをノートに書いたりしていました。

二度目は今年になってから。パチンコの「CRサンダーバード2」という機種があり、懐かしくて打ち始めたら、たまたま大勝ちしてしまい、以来その機種が新台に変わるまで、パチンコ屋に通ってました。パチンコのほうは、従来の人形劇をベースにしているので、なつかしのマシンやキャラたちが、当時の映像や、鮮やかなアニメになってよみがえり、あのテーマソングや、お約束の「5、4、3、2、1…、サンダーバード アー GO!」のカウントダウンもあり、忘れかけてた小学校のころの熱い思い出を呼び覚ましてくれた。

そこにこの映画が登場。予告編が流れ出し、いろんな宣伝が始まると、毎日パチンコ屋でみている「オリジナル」との違いがかなりあり、不安になった。とくに僕の大好きなサンダーバード4号のデザインがまるで変わったので、大丈夫かな?と思ったが、せっかく実写なるんだったら、そういった先入観をすてて、一本の映画として楽しもうと心に決めた。

で、見る前から「かなり子供向け」という評判が圧倒的だったので、また不安になってきた。…もういい。とりあえず見てから、物を言おう。

…本当でした。こりゃ、アランの成長記じゃないか。親友と女の子の3人組なんて「ハリポタ」だよ。参ったなこりゃ。見ている最中に私は「これは『ドキドキ大冒険』というお話だ!」と割り切って見ることを決めた。

割りきってしまえば、それなりに楽しかった。アランはものの見事に人間として成長しました。まさかブレインズに息子がいるなんて思っても見なかったけど。あと、フッドのベン・キングスレーは圧巻。ペネロープも「新解釈」でかわいかった。

しかし、その分兄弟たちは割を食った。アラン以外では、5号のジョンがちょっと出てたくらいで、スコット、バージル、ゴードンなど、本当に顔が思い出せない。日本語吹き替え版もV6が担当したけど、父ちゃん役の坂本君と、アラン役の岡田君以外のファンの子は、見所どころか、出番すらなくて、ガッカリしたに違いない(ブレインズの息子とティンティンがあんなに活躍してしまっては、本当に兄弟の立場は・・・)。

そして最大の不満は「マシンがちっとも活躍しない」こと。メカのデザインが変わったのは、結局全然問題なかった。活躍さえしてくれれば。でも、マシンはそこに「居る」だけ。「人間の活躍」を重視した結果、一番のお楽しみであるマシンの魅力をブチ殺してくれた。特に私の大好きな4号は、「海」でこそ、その魅力が発揮されるのに、モノレール落下の話は「4号をとりあえず見せるため」だけに作られた。それも「川」でなんて・・・。さらにその4号よりも、素もぐりのティンティンのほうが役に立ってるし・・・。

たくさん話があるうちの「一章」としてならアリだが、「これがサンダーバードだ!」といわれたら歯がゆい。せめて物語を二部構成にして、前編を「アランの成長記」、後編を「フッド Vs 国際救助隊」という風にしないと、見所がなくなる。「あのころ」が懐かしい。

うちの近所のパチンコ屋から、サンダーバードの台は入れ変わってしまったが、「あのころ」を取り戻すためには、ある店を探して打たないといけないのかもしれない。

(評価:★3)

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