ごめんなさい。映画として、全然楽しめませんでした。どこにも、だれにも感情移入できないまま、映画が終わってしまった。『花様年華』も難解だったが、今回はもっと上級編。見たこともないような方程式を幾つも繋げたような、「判る人にしか判らない」映画に思えてきた（『ＩＮＮＯＣＥＮＣＥ』と同等）。

あ、「誰にも」といったけど、カリーナ・ラウは良かった。『インファナル・アフェア２』で、ちょっとかっこいい姐御を演じていて好きになったけど、今回も冒頭でいい味出してます。このあたりまでは、なんとかついてゆけたんだけど。

『花様』のときは、とことんまでプラトニックな男女の機微を追求してたけど、今回はいく所までいっちゃった！って感じ。っていうか、やりすぎ。「隣の部屋から聞こえてくる」ってのも含めて、過剰です。品がない！。たくさん見せればいいってもんじゃなく、「効果的な一回」のほうが、心に残るってコトもあると思う。

木村さん、なんだか「困った」様子が手に取るようにわかる。フェイ・ウォンに「さよなら」をいうシーンでも、「おれ、ホントにここにいて、日本語でしゃべっていても、いいんかいな！？」って、思ってるんじゃなかろうか？。「ＳＦ編」も含めて、そこに日本人、いや日本の人気歌手「キムタク」がいる必要が感じられない。設定においても、演技においても。

で、最後にＳＦ「２０４６」は何だったの？あれだけごっそり引き抜いても、いいんじゃないか？「２０４６」とは何か？、って聞かれて、簡潔に説明できる人が、はたしてどのくらいいたんだろうか？