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[コメント] 単騎、千里を走る。(2005/香港=中国=日)

冒頭、あまりの「老い」に愕然とする。しかしその不器用な男が、中国の大地に立ち、精力的に動くさまを見て、自然と熱くなった。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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冒頭の健さんを見て、「おっ、おじいちゃん・・・!」と思わず口にしたくなるほど、老けてしまった姿に愕然となった。『鉄道員(ぽっぽや)』の時から5年ぐらいしかたってないのに、この変わりようは・・・。

そして「声だけ」の中井貴一のシーンのあと(なぜ声だけだったんだろう?。たしかに多忙な方なので、アフレコだったのはよく判ったけど、別撮りでちょっと姿ぐらい見せてもいいのに)、健さんは、中国に渡る。そしてそこから、健さんがどんどん若さを取り戻してゆくようだった。いや、見や目のことを言えばそんなに変わっていないけど、なんかこう、「姿勢」が正しいのか、何なのか、とにかくよく動く。水を得た魚のように。

時折「老けた」ように見えるのは寺島しのぶとの電話のシーン。なぜか判らないけど、「おじいちゃん」に戻ったよう。

そして、ヤンヤンとの出会いとから別れの場面は、生き生きしていた!こういう健さんを見たかった。なぜこの人がリスペクトされるのかが判る気もした。

内容としては、ちょっと中国のひとが善人過ぎる。「悪人」を出す必要はないが、例えば、もうちょっと文句を言ってもいいはずだぞ、女性通訳。彼女が「監獄撮影」の話を聞いて困惑するのは、至極当たり前で、実際に彼女があそこまで協力する必要は全くないはず。まぁ、「最後まで協力してくれるいい人でよかったね」としかいえない。また「金」でお願いをする健さんと、それを返すガイドの男のシーンが、すこし皮肉混じりな気もする。ただ、この不自由さを、最後までごまかすことなく突き通したのは感心した。

タイトル「単騎、千里を走る。」のイメージだと、通訳もなしに、単身で中国の山里にやってきて、いろんな人と出会い、別れ、目的を達成する感じ。たとえるなら、老人が兄(弟だったかも)に会う為にトラクターで旅をする『ストレイト・ストーリー』のようなイメージだったけど、携帯電話やデジカメを器用に使いこなすのにちょっとだけ違和感。

そして健さんの魅力、それに「頼りすぎ」という気もする。

(評価:★4)

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